自分自身と内側にある宇宙(心)に繋げるゲート(心の扉)を作っています。
宇宙に存在する一切のものを表す森羅万象。
無心で眺めるその瞬間、日々の事柄や思考を忘れることで意識はクリアーになりスペースが生まれる。
そこには人それぞれの様々なものを感じると思います。
この無限に湧き上がる感覚はどこから生まれているのでしょうか?
頭の中?心の中?
人間の中には科学ではまだ証明できない神秘があり、
それは一つの宇宙であり全てが一体であると考えています。
無になり感じる感覚は自身の心の中に宇宙を感じる瞬間。本当の自分に向き合える時間。
私の曼荼羅は頭上に広がる天空をモチーフに同様に広がる心の宇宙へ繋がる
その瞬間のための扉・ゲートをコンセプトに作品ごとに一つ一つ違ったカタチで描いています。
思ったまま、感じたまま・・・・
私の作品は表面的なキレイさや美しさだけを求めて制作をしていません。
作品の原型となる図案(下地)は点描の為に準備はしますが、この図案制作の際に思い描いた世界は点描時において、1つの点でもその世界が変わってしまう事から、最初に思い描いた世界を良くも悪くも壊しながら作り上げるという工法を用いて進めています。
逆に言えば、この工程を用いる事で、その瞬間にしか現れない一期一会を大切にし、既存概念では生み出すことができない瞬間の「偶然」を取り入れながら作業をしています。
また、定規やコンパスなどを使って図形から書き起こすという工程ではなく、建築設計やデザイナーとしてのスキルを活かし、コンピュータを使い下地の採寸を細密に計算し、そのデータを下地としてペンやアクリル絵の具などにより、その瞬間に打ちたいと思う場所に打ちたい色を全て手書きにて点描しています。
1つの作品(50号サイズの作品)に向き合う時間は約500〜600時間を要しますが、描いていく中で、どんどん作品への感情の動きが変わっていきます。
制作時には、瞬間的に塗りつぶしたい衝動に襲われ、時に殴り捨てたくなる気持ちが現れる時もあります。そのような制作での葛藤を瞑想などで落ち着かせ、一瞬一瞬を大切にしながら、その時に感じた感情、その時にどのような変化があるのか。
その変化やおかれている状況など、描く中で様々な世界を見つけ出すことを求めながら新たな世界を模索し極限の宇宙的な観点を大切にした世界を追求しています。
曼荼羅や点描はもちろんアートには、これが正解というものはありませんが、
曼荼羅や幾何学が持つ神意性を取り込み発展してきた仏教・宗教美術において、その深い世界を探求し、日本古来の伝統や職人文化を今の時代にあわせて変化させること。それは日本文化や伝統への冒瀆とも言えるかもしれません。
しかし、同時に森羅万象を唱える仏教や密教の「行きとしていけるものは常に変化し続ける」という教えを考えれば変化は必要な在り方でもあると信じ、探求する・変化するアートとしてその世界を表現し続けていきたいと考えています。
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